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武田歯科医院

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2009年05月13日 歯間乳頭を保存するための切開  その1

「チタン強化膜を用いたヒト骨内欠損の歯周組織再生療法についての比較臨床試験」

Periodontal Regeneration of Human Intrabony Defects with Titanium Reinforced Membranes~A Controlled Clinical Trial~

Cortellini P, Prato GP, Tonetti MS
J Periodontol 66(9) 1995 797-803

歯周病が進行すると歯と歯の間の歯肉が下がってしまい、つま楊枝などがシーシーと入ってしまう現象が見られるようになります。この歯と歯の間の隙間を埋めている歯肉の部分を歯間乳頭(しかんにゅうとう)といいます。現在のところ、一度下がってしまった歯間乳頭を回復させる決定打となる方法はありません。

歯周病が進行した場合、手探りで歯石を取るだけでは限界があり、歯肉をメスで切ってめくり、目視できる状態で歯石を取ることがあります。これを歯周外科手術といいます。また、この歯周外科手術を行う際に、ゴアテックス膜(よくウインドブレーカーなどの素材に使用されている合成繊維からつくられた膜です)や先のシリーズで述べたエナメルマトリックスデリバティブ(製品名エムドゲインゲル)といった材料を使い、積極的に失われた骨など歯の周りの組織を回復させることをします。ちなみにこれを歯周組織再生療法といいます。

これら歯周外科手術や歯周組織再生療法は、結構繊細なテクニックが要求されます。なぜかというと、歯石を取るだけならいいのですが、下手をすると治ってから歯肉ががつんと下がってしまうことがあるからです。手術の手技が歯肉が極端に下がってしまったと仮定した場合、その原因としてはいろいろ考えられるのですが、ここではそのひとつとして歯肉の切り方(以後、切開とよびます)を考えてみます。

歯間乳頭付近での切開法は単純に3パターン考えられます。歯間乳頭の真中へ切開する方法、歯間乳頭より頬側(唇側、すなわち外側)を切開する方法、歯間乳頭より舌側(すなわち内側)を切開する方法です。スタンダードな歯周外科手術では、歯間乳頭の真中へ切開する方法がとられていました。しかし、上述した歯周組織再生療法としてゴアテックス膜を使用した際に、歯肉の下に膜を敷いて数日すると、歯間乳頭への血液供給が断たれ歯肉が少し壊死してしまい膜が露出してしまうという現象が問題になりました。もちろんそれで手術は失敗というわけではなく、膜を除去した後は歯周組織が再生している所見がみられます(みられないこともあるとは思いますが)。但し、一度失われた歯間乳頭のボリュームは回復することはできませんし、できれば膜が露出しない方がいいわけです。

そこで、考案されたのが、歯間乳頭の部分を避けて切開する方法、すなわち歯間乳頭より頬側を切開する方法もしくは舌側(すなわち内側)を切開する方法です。

歯周組織再生療法とはGuided tissue regeneration、略してGTRと呼ばれます、これ豆知識ね。GTO(グレートティーチャー鬼塚)じゃないですよ(古いな)。

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2009年05月08日 エナメルマトリックスデリバティブ その9

「エナメルマトリックスデリバティブ、アメロジェニン、 および血小板由来成長因子-BBに対する ヒト歯周線維芽細胞の応答 」

Human Periodontal Fibroblast Response to Enamel Matrix Derivative, Amelogenin, and Platelet-Derived Growth Factor-BB

Chong CH, Carnes DL, Moritz AJ, Oates T, Ryu OH,§Simmer J and Cochran DL
Journal of Periodontology, 2006, 77, 1242-1252

結果と考察です。
今まで8回にわけてつらつら書いてきたわけなのですが、結果も予備実験のように細かい試薬の濃度別結果が示されているわけなのですが、著者らが強調しているのはアメロジェニン添加群では細胞の増殖にいっさい変化が見られなかったという点です。細胞増殖に関してはPDGF添加が比較的増殖作用が高いようです。

PDGFとEMD(エムドゲイン)もしくはアメロジェニンとの組み合わせでのふりかけ実験も行っているのですが、PDGF+アメロジェニンでは、PDGFによる細胞増殖の上昇がみられず、PDGF+EMDでは細胞の数が相乗的に上昇したようです。このPDGF+EMDに関しては、EMDがPDGF受容体の数を増やしたからではないかと著者らは述べております(そういう知見を述べた論文があるそうで)。

ということで、著者らの結論。
「歯根膜細胞の増殖において、EMD内のアメロジェニン以外の因子が重要であることが示唆された」だそうです。

また話しはもとに戻ってしまうのですが、そもそもエナメル基質タンパクって受容体とか生物活性があるのですかね?
アメロジェニン以外って何がありましたっけ、エナメリンとかシースリン?でもEMDって臨床的な治癒経過はいいみたいなんですよね、私もさんざん使ってますけど。

ふと思い出してググってみると、こんなのとかこんなのがありました(リンクをクリックしてくださいね)。さてさて。

しかし、論文ひとつ説明するのに9回に分けなくてはならないのが非常に厄介ですね。用語説明が終わるまではしょうがないか。コクラン先生の論文ばかり続けて飽きてしまったので、続報はあるのですが次回からは違う方々の論文を紹介しようと思います。

例によってまったく関係ないのですが、当歯科医院のアシスタントの女の子がゴールデンウィークにディズニーランドに行き、5時間待ち(ここ重要)でモンスターズインクのアトラクションに入ってきたそうです。他には何か入ったの?ときくと、バズライトイヤーに入りましたとのこと。君ぃ、トゥモローランドから出てないじゃんっ、という突っ込みを心の中にしまうのでした。若いなー。

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カテゴリー: EMD, 武田歯科医院新聞

2009年05月07日 エナメルマトリックスデリバティブ その8

「エナメルマトリックスデリバティブ、アメロジェニン、 および血小板由来成長因子-BBに対する ヒト歯周線維芽細胞の応答 」

Human Periodontal Fibroblast Response to Enamel Matrix Derivative, Amelogenin, and Platelet-Derived Growth Factor-BB

Chong CH, Carnes DL, Moritz AJ, Oates T, Ryu OH,§Simmer J and Cochran DL
Journal of Periodontology, 2006, 77, 1242-1252

その7で材料と方法を説明し終えたと思ったのですが、使用した細胞に対する説明がまだ残っていました。使用した細胞は、患者様から親知らずを抜歯した際に一緒にくっついてくる歯根膜という、歯の根っこと骨との間に介在するクッションの役割をする線維性の組織を構成する細胞です。ただし、この細胞は正確には細胞群とでも呼ぶべきもので、単一の細胞ではありません。おおざっぱに言うと、いろんな種類の細胞が含まれているといわれています。ですので、歯根膜から取ってきた細胞群を培養して、いろいろな反応を見ても、どの細胞がどういう反応しているのかという解釈がむずかしくなってしまいます。この細胞は、研究の種類によって、さまざまな工夫をして使用されています。

この論文では、これら歯根膜細胞をアルカリフォスファターゼという酵素の活性を測定し、最も高い測定値だったものと、最も低い測定値だったものと2群に分けて実験しました。

ここでいうアルカリフォスファターゼ活性は、骨型と呼ばれるもので、これまたとてもおおざっぱに説明しますと、骨芽細胞という細胞が骨を造る能力を知るために測定します(注! 一般の血液検査から測定するアルカリフォスファターゼとは意義が異なります)。

歯根膜細胞は骨芽細胞とイコールではありません。言い換えると、歯根膜細胞と一言でいっても、その細胞群の中には硬組織(骨など)を造る役割を担う細胞が混在していることになります。

次回、ようやく結果へと続きます。

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カテゴリー: EMD, 武田歯科医院新聞

2009年05月05日 カレー大作戦 その5

完成いたしました。

子ども用のカレーは、甘口ルーを加え牛乳で薄め、生クリームで味を整えました。
大人用カレーは辛口ルーのプレーンでございます。

カレーには香辛料の中にクルクミンが含まれており、こいつは転写因子AP1の活性を抑制します。この作用はきっと炎症性サイトカインを抑制しますので、歯周炎を抑制してくれます(すっごいこじつけ)。きっと、おそらく、たぶん、だといいなレベルですので。ちなみにAP1阻害剤としてのクルクミンは、入れると培地が怪しいくらい真っ黄色になるので個人的には信用し難い面があります。ちゃんとsiRNAでも抑制かけてね。

さすがに6時間煮込んだお肉は、割と大きめに切ったつもりだったのですが、ホロホロになっておりました。辛口の大人用にそえた福神漬なのですが、子ども用にもつけましたところ、カレーを食べ終えてから福神漬だけを食べる子ども…、そんな食べ方しないでくれ。妻を含め子どもらも、えらく食いつきがいい。非常に満足させていただきました。

しかし、彼らはまだ気が付いていない。明日も明後日もカレーだということに…。

次はラーメンかな?

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カテゴリー: 武田歯科医院新聞

2009年05月04日 エナメルマトリックスデリバティブ その7

「エナメルマトリックスデリバティブ、アメロジェニン、 および血小板由来成長因子-BBに対する ヒト歯周線維芽細胞の応答 」

Human Periodontal Fibroblast Response to Enamel Matrix Derivative, Amelogenin, and Platelet-Derived Growth Factor-BB

Chong CH, Carnes DL, Moritz AJ, Oates T, Ryu OH,§Simmer J and Cochran DL
Journal of Periodontology, 2006, 77, 1242-1252

材料と方法の続きです。ここで、この研究の鍵となる細胞の扱い方が示されます。その名もIn Vitro 細胞wounding 試験(超訳)。

直径5cmくらいの丸い平底型のプラスチックシャーレにに歯根膜(PDL)細胞を播種し、10% FCS(牛の血清)含有D-MEM(栄養の入った培養液)で細胞がシャーレいっぱいに増殖するまで培養します。その後、ラバーポリスマンという小さな小さなハケで縦に細胞を剥し取り、シャーレ中央に3 mm幅の無細胞スペースをつくります。

試薬(PDGF、EMD、アメロジェニンなど)を添加し引き続き培養します。

培養終了後、100%エタノールで固定し、クリスタルバイオレットで染色し、予め設定した4種類の視野内の細胞数をカウントしました。
4種類の視野とは、シャーレ内の細胞を剥がした境界部分あたりを4視野数えて、細胞を剥がした部分にどれくらい細胞が増殖しているかを、顕微鏡下でその細胞数をカウントするというものでした。

彼らは、創傷治癒過程を模倣したかったのかなと思うのですが、個人的には細胞を剥がさなくても、単純に増殖曲線つくればよかったのではないかとも思うのですがどーなんでしょ?まぁ、マーカーで標識するなどもせず、細胞の増殖数をカウントするだけで評価する論文は現在ではあまり(まったく)見かけないので、何かひとひねりしたかったのかもしれませんけど。

それはそうと、この頃いろんな本を読んで、今更ながら日本は内需な国なのだなぁと多く感じるようになりました。では、なぜ内需の国なのか?それはひとえにこの国の人たちの勤勉さなのではないかと思うんです。ですから、私も今以上に一生懸命仕事しようと思ったのでした。

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