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2009年04月18日 インプラント 今昔物語 その3

では、インプラントが骨に密に接合するまでの期間、とくに埋入後1か月の間はインプラント周囲に骨はないことについて論拠となった論文について説明いたします。

「ウサギへのスクリューインプラントの骨接合: チタン製インプラントのリムーバルトルクに関する1年間の追跡」
Integration of Screw Implants in the Rabbit: A 1-year Follow-up of Removal Torque of Titanium Implants、 Int J Oral Maxillofac Implants. 1987 Spring;2(2):69-75.

(なお、リンク元のソースはPubMedになります。残念ながら、この頃のInt J Oral Maxillofac Implants.には要約がPubMedに載ってない。)
スウェーデンのイエテボリ大学の、Johansson 先生と Albrektsson先生による研究です。Johansson 先生は解剖学の先生らしいです。

この研究当時、骨接合型インプラントは,無歯顎患者の治療に多く適用され始めておりました。ただし、どのくらいの期間でどのくらい骨に接合するのかという、実験的裏付けがない状態でした。ただ、経験的に3~4か月くらいというのはわかっていたのだと思われます。

そこでJohansson 先生達は、チタン製のネジ型インプラント(ここは思いっきり意訳してます)をウサギの脛骨に時計回りでネジを入れておき、しばらく期間を置いたあと反時計回りの力をかけてネジを回し(これをリムーバブルトルクと表現しております)、その力の値を測定しました。さらに骨とインプラントとの接触の程度を組織切片をつくり、その接合の様子を顕微鏡下でも観察しました。

実験条件は以下の通り
5羽のロップイヤーラビット(9~12か月齢)をを5羽ずつ5群に分け、それぞれの脛骨に左右1本ずつ、直径3.6 mmのチタン製ネジを合計50本埋入しました。ちなみにウサギは、外科処置後すぐに自由にさせて全体重による負荷をかけた状態にしました。ただし、これは咬みあわせの力をすぐにかけることとはかなり異なり、あくまで脛骨にネジを横から入れただけです。
ネジは純チタン製の市販品を使用し、埋入方法は、ブローネマルクのプロトコルに従ったそうです。この場合、ネジという訳はふさわしくなく、より専門的にいうとセルフタップのスクリューがついたインプラントフィクスチャーとでもいうべきなのですが、あくまでここでは「ネジ」と超訳しておきます。

最短は3週目から最長は1年後に再び埋入部を剥離し、脛骨に埋入されたスクリューの左右いずれかの1本にリムーバルトルクをかけ,もう1本は標本にしました。リムーバルトルクの負荷と測定は,トルクゲージ(Johnichi 15 BTG-N)を用いております。おそらくこれは、自動車修理用などのトルクゲージを流用したのだと思われます。

スクリューを周囲の骨と共にトレファインバーで採取後アクリルレジンで包埋し、研磨装置を用いて薄くして標本を作成しました。その後、見やすいように1% ホウ砂溶液と1% ピロニンG溶液を4:1の比で混合し、これにトルイジンブルーが1%含まれる溶液を加えて染色し、顕微鏡で観察しました。

以下結果です。
データーの写真などに関しては取り込んでアップすると著作権に触れる可能性があるのと、イラストに書き起こしてもいいのですが、手間がかかるため想像してください(そのうち改善するかもしれません)。

インプラント埋入20日後の標本
骨との接触は全く見られず、インプラント表面には軟組織 が介在しておりました。

インプラント埋入1か月後の標本
インプラントと骨との直接 接触はほとんど見られませんでした。

インプラント埋入3か月後の標本
リムーバルトルクはウサギ間に 個体差がありました。
リムーバルトルクが低値だった(弱い力でネジが外れた)ウサギでは、インプラント表面に軟組織の存在が見られました。リムーバルトルクが高い(強い力でないとネジが外れなかった)ウサギでは,インプラント表面に骨組織が形成されてました。

インプラント埋入6か月後の標本
インプラント表面に骨組織が広範囲に見られました。

インプラント埋入12か月後の標本
インプラント表面に豊富な骨が見られました。

以上、組織切片の結果でした。

チタン製スクリューが逆回転するために必要な リムーバルトルクの経時的変化については、
インプラント埋入20日後では、10.8 Ncm
インプラント埋入1か月後では、16.8 Ncm
インプラント埋入3か月後では、68.3 Ncm
インプラント埋入6か月後では、77.6 Ncm
インプラント埋入12か月後では、88.0 Ncm
だったそうです。ちなみにヒトの場合、インプラント体に歯となるパーツをつけるときにかける力は、メーカーによっても違うのかもしれませんが、大体20~30 Ncmです。

彼らはこう述べています。本研究の結果、骨接合の過程とインプラント表面の骨形成量がパラレルでした。インプラントの埋入後、3か月では骨接合とリムーバルトルクともに個体差があり、インプラントと骨の接合が安定するには1年以上の期間が必要であると思われる。すなわち、インプラント治療を要する患者に対し、患者個々へのアプローチが重要であり、推奨される(ブローネマルクの?)プロトコールよりも長い期間インプラントが骨に入っているだけの期間が必要ではないか。

論文に述べられている論調だけから読み取ると、インプラントを入れて安静にしておく期間は3か月以上ではなく1年以上にしなさいと読み取れるような気がする…。

しかし、先にも記したように、現実、ヒトにおいて作業する上でかけなければならないリムーバルトルクは、せいぜい30 Ncmくらいです(ただ、実際には経験の少ない先生ではこのトルク値でインテグレーションを壊してしまう可能性はあると個人的には思います)。
さらに、この研究当時のインプラント体は、すべすべの表面をしたものであったはずなのです。現在のインプラントは、特殊な表面処理を施してあり、表面は細かくザラザラになっており、骨との接触面積が飛躍的に上がっております。

あくまで昔の研究であること、実験対象としてウサギを使っていること、インプランントの表面性状が現在のものとかなり異なることなどを考慮して、ご理解ください。

インプラントの表面性状の進化については、また後日ということで。

ググると、いろいろな知識が手に入りますね。尚、本論文の超訳が多少間違っていたとして、これを転載して恥をかいても責任は一切とりませんので念のため。

ネットは広大だわ by 草薙素子

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